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江戸三〇〇年「普通の武士」はこう生きた―誰も知らないホントの姿 (ベスト新書)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 15745 位
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| 参考価格: | ¥ 819 (消費税込)
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戦をしない武士の生き様?
武士とは軍人なのだが、江戸時代は戦がほとんどなかったので、その本分をなくした武士という姿がどういう者だったのか、を解明した本だ。
時代劇や歴史小説に出てくる武士とは違って、サラリーマンの走りなのだ。
日本の人口の5%ほどの200年ほど前の功労を基にした年金生活者だったのだ。
教養はそれほどなかったらしい。
出世すると付き合いがかさむらしい。
などといった、あまり格好のよい存在ではなかったようだ。
さもありなん、という感じだが、だからといって時代劇の興味が薄れる事もない。
時代劇や歴史小説は娯楽として、今後も楽しんでいく事に変わりはない。
ただし、雑学は雑学として、歴史クイズが得意になりそうな気がする。
普通、でもそこが知りたい
書店でピックアップされていたのがきっかけで読了。
典型的な武士を想定したシミュレーションが面白かったしよかった。
江戸時代の武士はしがない年金生活を送っていた様なものだった、という考え方が興味深い。
しかし時代考証の一助となればといった観点で読んだため、著者の考察は少々余計に感じる部分もあった。
「武士道」と現実の武士
実は以前から疑問に思っていた。昨今巷で叫ばれる「武士道」と、実際に当時のことを調べていて出会う武士---百姓町人に威張り散らす一方で目上には卑屈に媚びへつらい、煩雑な儀礼や人間関係に悩み、つまらない事にキレてはすぐに刀を振り回し、時にはハメを外して失敗し、金策に苦労し、しばしば「役得」と称して怪しげな金も懐に入れる、そんな現実の武士の姿とが、あまりにもかけ離れているように感じられたのだ。
疑問の一端が、この本で解けたように思う。現実の武士は決して学識豊かでも品行方正でもなかったし、現代人や同時代の百姓町人に比べて特に清廉潔白だったわけでもない。体面を重んずるあまり時には虚飾や形式主義に走り、硬直化した組織や制度の理不尽に苦しむ一方、その中でしたたかに生き抜き、主家よりはやはり我が身・家族が大事で、無論、中には高潔・有能な人物もいた。時代や社会状況による思考・行動の違いはあっても、決して今の我々と異質の存在ではなかったのである。
「サムライとは禅の心を体現した武人」という著者の定義には疑問も感じる。そもそも、時代・地方・立場によって違った「武士」のあり方に、画一的な定義付けをすること自体が、おそらく無意味なのだろう。ただ、「武士道とは死ぬことと見つけたり」的なファナティックさが決して一般武士の思考ではなかったことを教えてくれるのは意義深い。安易なヒロイズムや懐古趣味から礼賛される「武士道」より、情けないなりに精一杯の矜持を持って生きていたこの本のサムライ像の方がよほど奥深いと私などは思うのだが、いかがだろうか。
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